「時間とは、瞬間の中に閉じこめられ、二つの虚無の間に宙吊りにされた現実である。」
このガストン・バシュラールの時間概念を起点に、このシリーズではカメラやレンズの機能や特性を駆使しながら、様々な人工物や岩石のテクスチャー、水の流れ、炎の揺らめき、光の拡散や反射など、周囲の環境で生起し、身体的に経験される動的な現象や物体の様相を捉えている。
物質は常に運動し、その仮借のない働きの厳粛さのうちで生成消滅していく。そのプロセスに内在する豊かで詩的なイメージを写真というメディアを通じて拡張させていく。その時、写真がもつ断片性は、断絶と接続の双方の可能性を併せ持ち、積み木遊びのようにイメージの構築と破壊を繰り返し、アナロジーを用いることで、新たな流れと深度が生成される。
成長や進歩を前提に、過去から未来へと直線的に進む近代的時間性とは異なり、物質と現象が顕現するまさにその瞬間に立ち現れ、実在的でありながらも「現実」とは別の世界を創造・想像しようと試みたものである。

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